入門PCゲーマーのために世界一わかりやすく5.1chサラウンドを説明してみる

わかりやすいサラウンド解説(5.1ch) ゲーム

PCゲームをやるためにサラウンド環境を構築するという需要はあまり多くないのか、検索してもあまりヒットしません(特にビギナー向けの情報)。
今回の記事では、オーディオについてはド素人の私がこれまで調べてきたことと実際に体験してきたことから得られた知識に基づき、PCゲームをサラウンド環境で楽しめるようにするための情報を可能な限りわかりやすくかんたんにまとめてみたいと思います。

そもそも5.1chって何なの?

映画のDVDやBlu-rayのパッケージの裏に「5.1ch」とか書いてあるアレですが、どういう意味なのかについて見ていきましょう。 まずはその前に最も一般的な「ステレオ」から説明していきます。

まずステレオとは何なのかについて説明します

スピーカーが2個の構成のことをステレオといいます。
自作やショップメイドのPCを使っている方の多くはこの構成ではないかと思います。実際に、PC用として販売されているスピーカーのほとんどは2個セットの構成ですよね。
あとはノートPCに内臓されているスピーカーもしょぼいですが左右2個セットです。
液晶テレビやプラズマテレビのスピーカーも同様にステレオです。

ステレオの説明

サラウンドは3個以上のスピーカーから構成されるシステムのこと

スピーカーの数が3個以上のシステムを「サラウンド」といいます。ステレオに1個のスピーカーを増設して3個にしたのが以下の図です。これを3ch(チャンネル)といいます。

ステレオの説明

同様に、スピーカーの数を5個に増やすと5chとなります。

5chの説明

さらに、5chにサブウーファーという機器を追加したものを5.1chといいます。

5.1chの解説

スピーカーを増やすとどんないいことがあるの?

たとえばゲーム内で、画面の右側から敵モンスターが不意打ち攻撃を仕掛けてきたとします。この時のモンスターの声や自分のキャラが攻撃を食らった効果音などは右側のスピーカーから鳴らせば、あたかも自分がその場にいてゲームの主人公として行動しているかのような没入感が体験できます。このように、右側から聞こえるべき音がちゃんと物理的に右側から聞こえ、後ろから聞こえるべき音も同様に後ろから聞こえるようにすることで、より臨場感や没入感を高めることができるということです。これはゲームに限らず映画などの映像作品でも同じですね。

映画でもゲームでも、どの音をどのスピーカーから鳴らすかはソフトによって決められています。たとえばFPSのゲームなら、プレイヤーの後ろにいる敵がだんだんこちらに近づいてきている、という状況なら、後ろ側のスピーカーからその足音が聞こえるようプログラミングされているわけです。

以下の画像は、Skyrimで滝を前にした状態から左回りにおよそ180度振り返って滝を背にした様子です。滝を前にすればフロントスピーカーから滝の音が聞こえ、滝を背後にすればちゃんと滝の音はリアスピーカーから再生されます。

もちろんこの定位 (音の方向を定める) がどの程度作りこまれているかはゲームによって違います。中には音については適当なゲームもたくさんあります。しかし基本的にはこのように物理的に複数のスピーカーを設置することであたかも自分がその世界で行動しているかのような没入感が味わえるというわけです。

もちろん、最初に説明したように何個もスピーカーを用意してサラウンド環境でPCゲームをやっている人は多数派とはいえないので、少ないスピーカー環境でこうした音声が再生される場合にもちゃんと2つのスピーカーに分配されてそれっぽく音が聞こえる仕組みになっています(ミックスダウン)。ただこの場合は本来後方から聞こえるべき音も前方にミックスされて聞こえるわけです。

サブウーファーって何なの?

低音を鳴らすことに特化されたスピーカーです。一般的にスピーカーはコンパクトになるほど低音が弱くなりがちで、それを無理して低音までカバーしようと設計するとスピーカーがどんどん大型になってしまい価格も高くなってしまいます。だったら低音だけ専用のスピーカーで強化してやればいいじゃん!ということです。

サブウーファーを構成に含めた場合は、1つのスピーカー(チャンネル)としては数えずに、頭にドットをつけて「.1」と表記します。たとえば5つのスピーカーにサブウーファーを2個設置したら「5.2ch」ですね。

スピーカーは少しづつ買い足してもいいの?

はい。まずは後述するAVアンプとスピーカー2個を購入してステレオ構成にして、満足できなければさらに後方用に2個のスピーカーを増設して4chに、といった増やし方も可能です。

センタースピーカーって何なの?

センタースピーカーは主に登場人物のセリフやナレーションに使われる出力です。「主に」というのは、別に厳密なルールがありセリフ以外を出力してはいけないというわけではないからです。実際には環境音や効果音も出力されています。

使いどころとしては、広い部屋にスピーカーを設置した場合、フロントの左右のスピーカーの距離が離れてしまうことからセリフだけが聞き取りにくくなってしまうことがあります。このような場合はセリフをメインに担当するフロントスピーカーを設置してやればセリフの音量を強化することができます。

ただ、PCゲームの場合は机の上だけの限られた間隔でフロントスピーカーを配置することが多いことからフロントスピーカーの必要性は低いという意見もあります。レビュー記事を読んでもゲームを目的としたサラウンドの場合は4.1chで十分満足できるという意見が目立つように思います。

サブウーファーはなくてもいいの?

低音の迫力が足りないと感じるなら導入。低音に満足できるなら必要ありません。
後述しますが低音は建物を伝わりやすいので近所迷惑になることがしばしばあり、住環境によってはどうしてもサブウーファーは導入できない場合もあります。
その場合は低音に強いスピーカーを選んで低音を強化してやるということも可能ではあります。

PCゲームをサラウンド環境でプレイするには何が必要なの?

PCでサラウンド環境を実現するにはおおむね以下の3つの方法があります。

選択肢その1.AVアンプを導入して物理スピーカーを設置する

今回紹介する選択肢の中では個人的には一番オススメな方法です。PCとの接続端子はHDMIか光デジタルケーブルが主流です。光デジタル音声出力端子を標準で備えたPCはそれほど多くはありませんが、HDMI端子なら標準で備えているPCも増えていますし、もちろんPCでゲームをプレイしようという方ならグラフィックカードを増設されていることがほとんどでしょうから、接続端子だけの面ではそれほど導入コストはかかりません。
以下の画像は私が実際に使っているパイオニアのAVアンプVSX-S520の背面です。PCからはHDMI端子で接続しています。

VSX-S520 パイオニア

さらにこちらがスピーカーを接続する部分の画像です。スピーカーケーブルはプラスとマイナスを接続する形式なので差込口もそれぞれ2つあります。

VSX-S520 パイオニア

スピーカーの選択肢が(とっても)増える

AVアンプを導入してしまえば、PC用スピーカーに限定されることなく、スピーカーケーブルで接続するタイプのスピーカーなら何でもつなげられます。ピュアオーディオ用、AV用など膨大な種類の製品が販売されています。メルカリやヤフオクなどの中古市場で掘り出し物を探すのも楽しいですよ。

住環境によってはどうしても導入できない場合も

集合住宅の場合、とくにサブウーファーは音量に気をつけないと鉄筋コンクリートで築浅のしっかりした建物でも隣近所から苦情がきやすいです。木造のアパートで隣近所の生活音が聞こえまくりといったような環境では、音量も満足に出せず、結果として快適な環境にするのは難しいかもしれません。
この場合は後述するヘッドホン一択になるかと思います。

オーディオの沼にハマるリスク

半分冗談ですが(笑)。まあ天井のない世界ですので。

選択肢その2.サラウンドスピーカーセット (PC用として販売されている)

Creativeなどが製造販売している、最初から5.1ch構成になったセットです。かなり安価にサラウンド環境を実現できます。入り口としてはいいかもしれません。ただスピーカーはセットに含まれるものに限定されますので、スピーカーを選ぶ楽しみはありません。

選択肢その3.ヘッドホン(またはヘッドセット) ※ハードウェアによる仮想 (バーチャル) サラウンド

ゲーミングヘッドセット(あるいはヘッドホン)として販売されているものの大半はこのタイプです。 ヘッドホンに仕込まれたハードウェアとメーカー独自のソフトウェアでサラウンドを実現します。もちろんヘッドホンですので物理的には両耳にしか音が出る部分はないのですが、メーカー独自に様々な技術を駆使して疑似的に5.1chなどを再現している製品です。手軽な方法として一番普及しているのではないかと思います。ヘッドホンは大きな音を鳴らしにくい日本の住宅事情に合っていますね。ゲームに特化されている製品では定位に力を入れている製品も多いので、悪くない選択です。

ゲーミングヘッドホンは基本、密閉型が多い

ゲームへの没入感を高めるため、またゲームには爆発音や地響きなどの低音が多いことから、それらの低音を最大限に生かすためかゲーミングヘッドセットには密閉型が圧倒的に多いです。ただ以下の理由から私には密閉型のヘッドセットはどうしても合いません。

  • 一人暮らしなので外部の音が聞こえないと困る(宅配業者など)
  • 頭が大きいので締め付けが強く頭が痛くなる
  • 同様に耳も大きいのでヘッドホンによっては耳が挟まれた状態になり耳も痛くなる
  • 密閉型は蒸れやすいので長時間着けているのが苦痛

そこで私の場合、次に紹介するソフトウェアによるバーチャルサラウンドと開放型ヘッドホンという組み合わせに落ち着きました。

選択肢その4.ヘッドホン(またはヘッドセット)※ソフトウェアによる仮想(バーチャル)サラウンド

こちらはWindowsなどで動作するソフトウェアが、サラウンドの音声をステレオ機器用に変換して出力してくれるという仕組みです。代表的なものには「Windows Sonic」「Hesuvi」「Dolby Atmos」「DTS Headphone:X」などがあります。「Windows Sonic」はWindows 10であれば無料で使えますので、まずは試しに使ってみるにはいいかと思います。「Hesuvi」はフリーソフトですがPCに詳しくないとちょっとだけ環境構築の敷居は高いかもしれません。「Dolby Atmos」と「DTS:Headphone:X」はともに有料ですがで試用期間中は無料で使うことができます。
私はこれらすべて試してみましたが、現在はいろんなプロファイルを試せるHesuviが気に入って使っています。

ヘッドホンの選択肢が豊富

この方法のメリットは、ヘッドホンを豊富に選べるということです。サラウンド再生はソフトウェアだけが担いますから、ヘッドホンについてはゲーミングに縛られることなくPC用でもオーディオ用でも好きなものを選べます。開放型でも密閉型でも選び放題です。これは私のようにデカい頭で、かつ耳垢も湿っている体質というヘッドホン選びに大変苦労する人にとっては大きなメリットです。

おわりに

以上、今回の記事ではあまり需要がないかもしれないPCゲームのためのサラウンド環境についてまとめてみました。ゲームといえどPCから音を出すという点は同じですので、PCで映画などを楽しみたいという場合も基本的には考え方は同じです。
最後まで読んでいただいてどうもありがとうございました。

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